ロンドンの博物館の中では大英博物館が世界的に群を抜いて有名ですが、地元での1番人気は「自然史博物館」(Natural History Museum)だそうです。自宅から徒歩15分程度の距離にあるにもかかわらず行ったことがなかったので、雨降る日曜日、初めて足を運びました。世界中から動植物の化石や標本が集められていて、その数なんと約4億点!しかも毎年約30万点もの新種が加えられていて、保管場所にも困っているらしいのです。
そんな数ある展示品の中でも圧倒的な1番人気が恐竜。少し照明を落とした部屋に化石が数十個展示されていて圧巻です。丁度20年前ニューヨークに住んでいた時、アメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)で恐竜の化石を見て、幼いながら興奮したのが思い出されました。その後恐竜の模型を作って遊んだり、懐かしいなあ。それにしてもいつ思ってもこの巨大生物が地球上を闊歩していたなんてにわかには信じ難い・・・、このイマジネーションをかきたてられる部分に世界中の人々がロマンを感じるのでしょうね。
他にも、小さなものではバクテリアから、大きいものではシロナガスクジラまで、ありとあらゆるものの標本や化石が展示されています。本当によく集めたものだと心底思いました。でも、昆虫、特に毛虫やムカデの標本に至ってはグロテスク過ぎて鳥肌が立ちそう・・・、こんなもの一体誰が見たいんだ!個人的に驚いたのは何百種類もの小鳥の剥製。ガラスケースの中にびっしりと展示されいて、なかなか迫ってくるものがありました。
この日は4時間費やしたのですが全然見切れませんでした。入館無料、自宅至近なので、ちょくちょく通おうと思います。
ところで、この日買った日本語のガイドブックが酷かったです。英文から訳したのでしょうが、不自然な日本語が多過ぎる。ほぼ全ページに違和感たっぷりの日本語が登場します。
「収集された世界 - 舞台裏を歩き、自然史博物館のコレクションをかいま見ればはっと息をのむでしょうことでしょう。7千万点の標本は過去と現在の動植物のあらゆる群を代表するだけでなく、わたしたちの住む地球をかたちづくる石や鉱物もあります。6百万冊の本、定期刊行物、手書き原稿、地図、さし絵などはさらなる知識の宝庫です。これらを合わせると、所蔵品はわたしたちの住む地球の何者にも劣らぬ過去のデータベースであり、未来を保存する助けとなる資源です。」
「さまざまなスケールの不思議 - セントラルホールの全長をはしる柱間をみれば、自然の不思議に気付くことでしょう。ここには現在のアルマジロの仲間であるすでに絶滅した巨大なグリプドトンがあります。グリプドトンは装甲で覆われた樽のような体を持っています。他にもジュラ紀の海からやってきた魚のようなイクチオサウルスがあります。壮観な恐鳥は身長2.5mで、訪れる人たちを頭上から見下ろしています。イルフォードで出土した毛に覆われたマンモスの頭蓋骨はイギリスで唯一発見された完全な状態の頭蓋骨で、まっすぐこちらを見ています。この高さで見ると、その大きく曲線を描く牙は実物より大きく見えます。」
「クジラの漂着 - クジラやイルカは定期的に沿岸に打ち上げられます。1913年、こういったクジラやイルカを要求する国王の権利により「国王の魚」は当博物館に移動されました。」
博物館に連絡して、「翻訳作業させて下さい」、と申し出てみようかと考えてしまう程のレベルです。こんな日本語のガイドブック、売り物にするな!
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